私がロベール・ド・モンテスキューにめぐり合ったのはこの時期です。　つまり、たまたま、 とある図書館で、彼の伝記を見つけたのです。

その後、彼を知れば知るほど、彼のことが好きになりました。　エミール・ガレ、ルネ・ラリック、 ギュスタフ・モロー、そして、オーストリア王妃で、愛称シシのエリザベート等々、こうした人 たちを私はもともと好きだったのですが、こうした人たちが彼と交際のあった人たちなのです。 彼のことを詳しく研究してみたら面白いだろうと考えたのです。

そしてまた、私が彼を好きなのは、彼の持っていた美意識のためでもあります。
事実、彼は美の判定者でした。　一旦彼が、これは優れた芸術家になりそうだと目をかけると、 徹底的にその人の面倒を見ました。

彼は気難しい人だったと思います。　それは確かです。　しかしそれでも彼は純粋で、自由な精神 の持ち主でした。　彼が庇護者となった芸術家の大部分は美術史にその名を残しました。

今日では、彼の作品は殆ど忘れられています。　しかし彼の審美眼は本物だったと思います。

現在、私は彼の作品を完全に理解するにはまだ力不足です。　しかし、早い将来、私のフランス語 が進歩して、心行くまで彼の作品を鑑賞できたら、と願っています。